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【質問】
いつも参考にさせていただいております。お弁当メーカーの細菌検査をしているものです。
液卵のサルモネラ検査では, 増菌培地であるBPWにはL-システインを添加するように指示されていますが,
これは「卵液を使った食品」すべてに対応している (適用されている) のでしょうか???
当検査室では, 液卵を使ったお惣菜に対して, BPWにL-システインを添加しております。他の調味料や食品も混在しているため,
L-システインは食品中にも存在しているのでは・・・と疑問があったため, 質問しました。よろしくお願いいたします。
【回答】
North and Bartram (1953)1)の文献で, cystine (10 mg/1000
ml) を添加した培地において, 卵からのサルモネラ分離が良いことが書かれています。Hara-Kudoら(2001)2)は,
液卵からのサルモネラ分離において各種増菌培地を比較してBuffered peptone
waterにcystine (0.2 mg/1000 ml) を添加した培地が適していると報告しています。このように培地
(各文献の培地は違います) に添加するcystine濃度の違いはありますが, cystineを含まない培地より含む培地の方が良いようです。食品中にcystineが含まれているとしても微量のため,
大きな影響はないと考えられます。以上のことから, 今まで通り「液卵を使ったお惣菜に対して,
BPWにL-システインを添加」で検査を継続することを勧めます。
〔参考文献〕
(1) North WR and MT Bartram: The efficiency of selenite broth of different
compositions in the isolation of Salmonella. Appl. Environ. Microbiol.
1: 130〜134, 1953.
(2) Hara-Kudo Y et al.: Detection of Salmonella enteritidis
in shell and liquid eggs using enrichment and plating. Int. J. Food Microbiol.
64: 395〜399, 2001.
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