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【質問】
いつもお世話になっております。WEB検索中にサイトを拝見し,
早速ご質問させていただきます。
一般生菌を測定する時に, “賦活化剤入りの培地”と通常の培地について質問がございます。一般生菌測定で賦活化剤
(パラベン等) が入っていない試料を測定する時に,
SCDLP寒天培地を使用して測定する場合と標準寒天培地を使用して測定する場合で結果に差が出ることがあるでしょうか???
賦活化剤が一般生菌に問題を及ぼすことがありますでしょうか???
また, 同じく真菌測定でもGPLP寒天培地とGP寒天培地で問題や結果に差が出ることがあるでしょうか???
ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
【回答】
“パラベン”は賦活化剤というより保存料だと思います。SCDLP寒天培地に含まれる不活化剤は(L)レシチンと(P)ポリソルベ_ト80です。LPが添加されていない培地がSCD培地(=トリプトソイ寒天培地)です。保存料のような抗菌物質が入っていない検体の生菌数測定では,
SCDLP寒天培地とSCD寒天培地を用いたことによる結果に差はでないと思います。真菌測定もGPLP寒天培地とGP寒天培地による結果の差はないと考えられます。ただし,
SCD寒天培地と標準寒天培地は組成がまったく違いますから,
結果に差が出てくると考えられます。“パラベン”のような保存料を含む検体の生菌数測定には,
不活化剤入りの培地 (SCDLP寒天培地)
を使う必要があります。不活化剤が入っていない場合,
検体中の保存料が培地へ移行し, 微生物の発育を阻止する可能性が生じます。
(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
早速のご回答ありがとうございました。お教えいただいたように,
SCD寒天と標準寒天では組成が異なるので差が出るとのこと。実際,
弊社の検査でも標準寒天で一般生菌の検出がないサンプルをSCDLP寒天で検査したら検出された経験があります。当初,
パラベンと賦活化剤の有無によることが原因と推測していたのですが,
今後培地組成の原因も考慮に入れ, 培地の選択を行います。ありがとうございました。
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