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【質問】
お世話になっております。弊社では抗菌/消臭性のある材料を製造し, 繊維等に加工したり,
当材料を加工した製品を製造したりしております。衛生管理に関心があり, 疑問に思ったことがありますのでメールさせていただいた次第です。
厨房や食品工場の衛生状態を把握するために, 浮遊細菌や落下菌を測定したり,
浮遊粒子を測定したりするようですが, 実際に浮遊細菌や落下菌が原因となって食中毒や病気が発生することはあるのでしょうか。また,
そのような食中毒を発生させる菌にはどのようなものがあるでしょうか。そのような事例やデータ等もあればお知らせいただけないでしょうか。
良好な環境を保つために換気/空調に配慮する必要があることはイメージとして理解できるのですが,
調べても「浮遊細菌や落下菌が原因となって食中毒が発症した例」が見つけられませんでした。誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
【回答】
「浮遊細菌や落下菌が原因となって食中毒や病気が発生することはあるのでしょうか」という質問ですが,
食中毒に関しては論文などで見たことはありません。しかし, 細菌が関係する病気では,
水冷式の空調設備から吹き出されたエアーゾルが原因であったレジオネラ症や部屋のほこりに分布していたボツリヌス菌の芽胞を赤ちゃんが吸引して発症した乳児ボツリヌス症などがあります。浮遊細菌や落下菌を測定したり,
浮遊粒子を測定したりすることは, 食中毒細菌や病原微生物の検出だけが目的ではなく,
その環境でどのような微生物がどのくらい存在するかということを知り, 最終製品の食品に対して如何に余計な微生物の汚染を防ぐかという全体的な視野で実施されるべきだと回答者は考えます。
【追加回答】
浮遊細菌や落下菌を測定したり, 浮遊粒子を計測する主な目的は, その環境の清潔度を評価することにあります。検出された細菌が直接,
病原性を発揮することは極めて稀, あるいは特殊な状況です。浮遊粒子を計測するには特殊な装置が必要ですが,
浮遊細菌や落下菌の測定は培地と培養用ふ卵器があれば, どこでも, だれにでもできるという簡便さがあります。
【質問者からのお礼】
大変お世話になっております。早速, ご回答をいただきまして誠にありがとうございました。今後も拝見させていただき勉強したく存じますのでよろしくお願いいたします。
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