■ “芽胞液”の調製方法 | |
【質問】
大衆薬メーカーの微生物試験を担当しております●●と申します (まだ微生物試験に従事してから日が浅い初心者です)。 芽胞菌 (Bacillus subtilis) の保存効力試験を実施したいと考えています。芽胞(菌)は通常の細菌と違い, 培養液を加熱するなどの処理が必要と聞きました。そこで, 一般的な“芽胞液”の作成方法について, 希釈液 (培養液) や加熱時間, 作業手順について教えてもらえないでしょうか。また, 作成した芽胞液は放置した場合, 増殖しないのでしょうか (有効期限は?) 。アバウトな質問で申し訳ありませんが, 宜しくお願い致します。 【回答】
Bacillus subtilisの芽胞液を調製する場合, まずは種菌用のBacillus subtilisを普通寒天培地に接種し, 30℃で24時間培養します。生育してきた菌を普通寒天平板培地に接種し, 30℃で1週間以上培養して芽胞を形成させます。この培養物に残存する栄養細胞を除去するため, 培養物を生理食塩水に懸濁させ, 65℃で30分間加熱します。加熱した後, 遠心分離により芽胞を集めます。得られた芽胞を生理食塩水を用いて遠心分離により3回洗浄します。得られた沈殿物を生理食塩水に懸濁し, 再び65℃で30分間加熱します。この液を“芽胞液”とします。芽胞液の濃度は, 濁度を測定して確認ができます。 作成した芽胞液は5℃以下にて保存し, 普通は6ヶ月保存できます。高い温度で (室温でも) 放置した場合は芽胞が出芽し, 増殖することはあり得ます。 (テクノスルガ・ラボ・立里 臨) 【質問者からのお礼】
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