07/08/30
■ 眼脂検体の採取方法
【質問】
 いつも勉強させていただいています。私, ●●分析センターの■■と申します。

 このたび眼科の顧客から,「培養の菌検出率が悪い」という指摘があり, 検査工程の確認および検討をしております。この顧客からは, 結膜炎患者の眼脂が提出されます。結膜炎の原因が必ずしも細菌ではないと思いますが, まず「検体の採取」について調べ, 顧客への説明および指導をしたいと考えています。
 
現在, 眼脂は“シードスワブγ2号 (冷蔵)”で提出されています。
 ・患部からできるだけ多くの眼脂を採取してもらう
 ・点眼剤をつける前に検体の採取をしてもらう

 基礎中の基礎であると思いますが, 採取に際しての注意点, また検体採取に関しての記載がある文献等ありましたら教えていただけませんでしょうか??? 宜しくお願いいたします。

【回答】
 眼脂の採取法については, 次の文献に記載がありましたので紹介します。

(1) 大石正夫: 臨床検査,Vol. 27,no. 11 (臨時増刊), p 1306〜1310 (1983) には:
「結膜は・・・・滅菌生食水に浸した綿棒または滅菌白金耳で眼脂などの分泌物を採取する」との記載があります。

(2) 検査と技術,Vol. 24, no.7 (増刊号)「感染症検査実践マニュアル」p 145〜154,医学書院, 東京 (1996)には:
「眼脂を滅菌白金耳で2,3度同じ方向に擦過するように採取する」との記載があります。

(栄研化学・柳沼 健史)

【追加回答】
 眼脂の細菌検査は本当に難しいものです。その検体採取の方法については, American Society for Microbiology (ASM) の発刊するCUMITECH 13A「Laboratory Diagnosis of Ocular Infections」が参考になると思います。Kimuraのスパーテル[http://www.medcompare.com/details/10981/Kimura-Platinum-Spatula.html]や綿棒の材質による特性などが丁寧に紹介されています。

(琉球大学・山根 誠久)


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