07/08/22
■ ガラス製注射器の再使用
【質問】
 こんにちは。現在, 勤務している個人医院で静脈注射にガラス製注射器を使用しています。慢性B型肝炎, C型の患者さんに強ミノiv (静脈注射) 後, 水洗いしてオスバンに浸し, オートクレーブで滅菌します。もちろん肝炎以外の患者さんにも同じ注射器を使用しています。いまどき, ガラスの注射器を使用していること自体驚きなのですが, 感染の危険はないのでしょうか??? よろしくお願いします。

【回答】
 今日的には非常に難しい問題を含んでいます。理論的には, 正しくオートクレーブ (高圧滅菌) されていれば, 感染の危険はなくなります。ただ, (1) 日常的に, 定期的に, 正しく滅菌されているという確認と保証 (医療事故の可能性), (2) 他のヒトに使われ, (感染性はないといっても) その血液残渣が混ざっているかもしれないという感覚的な拒否反応というふたつのことがディスポーザブル注射器の使用を促しています。他方, ディスポーザブル注射器は“石油”から作られます。しかも再利用 (リサイクル) されることもなく最終的には燃やされて炭酸ガスを発生します。地球資源の有効活用, 地球温暖化の抑制という意味からすると出来るだけディスポーザブル製品を減らす努力も必要だと考えます。安易に, 安直に, ディスポ, ディスポと叫ばれるのはもてる豊かな浪費大国, アメリカと日本くらいです。この時期, 関係する専門家が, 感覚的な恐怖を科学的実証と説明から払拭することも求められると思います。

(琉球大学・山根 誠久)


【質問者からのお礼】
 ご回答ありがとうございました。私の場合, 感覚的な拒否反応が大きかったと思います。しかし, 滅菌前に手動でシリンジをブラシで洗っただけで残渣物がすべて除かれるのでしょうか??? これからも, もっと勉強していきたいと思います。本当にありがとうがざいました。


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