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【質問】
●● (株) 品質管理の■■と言います。
GP寒天培地の性能試験において菌が増殖しないのですが, なぜなのでしょうか???
今まで何事もなく進めてきたのですが, 最近1人の人だけでなく複数の人が経験し,
やり直しをしています。 培地の温度は121℃で滅菌後, 50℃の水浴に2時間放置を徹底しています
(これは2年前, 菌の講習に参加したとき講師の方に教わりました)。同時にSCD寒天培地の性能試験を行っていますが,
そちらは菌が増殖しており, 菌数確認の方もOKでした。 培地の調整方法も問題ないと思われるのですが・・・
このことで生菌数試験が嫌になってしまう人も出てきて困っています。 何か思い当たることはありませんか???
ご意見, よろしくお願いします。
【回答】
GP寒天培地はブドウ糖が20 g/lを含む培地です。その他の培地組成と比べておわかりかと思いますが,
ブドウ糖が主成分です。ブドウ糖の多い培地は吸湿しやすく, 品質の劣化が起こりやすいのが一般的です。質問の内容から推察できる原因としては,
品質が悪くなった培地の使用, 不正確な培地秤量, 混合不十分 (溶解時に“ダマ”ができて,
そのまま滅菌するとブドウ糖とペプトンで反応が進み, メイラード反応を起こす場合があります),
加熱し過ぎ (オートクレーブのバリデーションが適切に行われているでしょうか)
などが考えられます。
【追加質問】
ご回答ありがとうございます。その後, 元菌の植菌を行い, 性能試験を行ったところ,
十分な繁殖が認められました。元菌は, 半年毎に新しい菌株から植菌を行っていますが,
夏場にはその期限より早く弱ってしまうようで, 去年も同じようなことが起こりました。GP寒天培地も,
開封後1ケ月しかたってはいなかったのですが, 購入してから使用までの期間が数年たっていました
(購入日を記載していなかったので, 購入記録をさかのぼってわかりました)。使用期限も見直さなければと思いますが,
どのくらいの期限を設ければよいか教えていただけませんか???
【回答】
通常, 粉末培地や顆粒培地は室温で3年間使用可能です。しかし,
保管場所やキャップの開け閉めが多い時には品質の劣化が促進する場合があります。1年から2年で買い換えることを推奨します。使用期限は培地ラベルに記載されています。もし,
記載されていない場合は製造会社または販売会社に問い合わせてください。培地を購入した時と最初に開封した時の日付は必ずボトルに記載してください。
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