09/09/03
■ B型肝炎ウイルス感染の経過
【質問】
 こんにちは。いつも貴重な回答, 参考にさせて頂いています。

 HBVキャリアの透析患者で, HBs抗原・抗体検査を凝集法で行い, 双方とも陰性を示していました。CLIA法に変更して測定したところ, 抗原陽性となりました。半年後, CLIA法で定期検査したところHBs抗原陰性, HBs抗体陰性との結果となりました。このようなケースはキャリア扱いでよろしいのでしょうか。よろしくお願いします。

【回答】
 質問の内容が少々理解できません。まず, “B型肝炎ウイルス (HBV) のキャリア”の透析患者ということですが, どのような方法で, いつの時点で“HBVキャリア”と診断されたのでしょうか・・・以前は, 測定精度の劣る凝集法で検査しており, その結果はHBs抗原も, HBs抗体も陰性であった。測定精度が高いといわれるCLIA法に変更したところ, HBs抗原が陽性に判定された。そのままなにもせず, 経過だけ観察していたところ, 半年後になり, CLIA法でHBs抗原も陰性になってしまった・・・このような場合, まず最初に疑うのはCLIA法でのHBs抗原判定の“偽陽性”です。HBs抗原が陽性から陰性に変化するような特別の医学的処置をしていないという前提で考えると, その可能性が一番だと思います。その他の測定方法で再検査することを勧めます。

(琉球大学・山根 誠久)


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