08/02/27, 29
■ B型肝炎ウイルスワクチンでの追加接種
【質問】
 本欄で抗体価が減少してきたら追加接種との回答を見ましたが[http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/hbv_vaccine3.html], 2006CMDT (LANGE) によれば,「免疫獲得後, 抗体価が減少しても, 少なくとも15年間は防御作用が良好とみられ, 追加免疫のための再接種は通常は推奨されない」とあります。如何なものでしょうか。抗体陽性 (これも定量レベルが不明確で困っていますが) であれば“15年後に抗体価を測定すれば問題ない”と考えてよいかと思いますが。宜しくお願いします。

【回答】
 B型肝炎ウイルスのワクチン接種後の対応については, それぞれの医療施設, 医療従事者, 専門家でいろいろな考え方にあり, 必ずしも一致していません。これはHBs抗体価が低下しても, 新たに侵入したHBs抗原によって速やかにブースターがかかり, 感染を防御できるという考え方と, ウイルス量によっては充分な抗体量がないと防御できないという考え方に基づきます。従って, 追加ワクチンの接種とHBs抗原陽性の曝露事故発生への対応には以下のような選択肢があるのが現状です。

◆追加ワクチンの接種

  • 定期的にHBs抗体価を測定して, 基準値以下の場合には追加接種する
  • 定期的にHBs抗体価を測定するが, 追加接種は行わない
  • 一度HBs抗体が陽転した場合, その後の対応はしない
◆HBs抗原陽性の曝露事故発生への対応
  • 被曝露者のHBs抗体価を測定して, 基準値以下の場合はHBIG投与する。さらに曝露血がHBe抗原陽性の場合はワクチンを追加接種する
  • 被曝露者のHBs抗体価を測定して, 基準値以下の場合はHBIG投与する。さらに曝露血がHBe抗原陽性の場合はHBIGを追加投与する
  • 特別な対応はしない (被曝露者のHBs抗体価も測定しない)
(アボットジャパン・中島 俊彦)


【質問者からのお礼】
 お忙しい中, 御回答頂き有難うございました。今後の参考にさせて頂きます。 


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