■ 非結核性抗酸菌へのlevofloxacinの有用性 | |
【質問】
●●県の検査センターで抗酸菌検査を担当している■■と申します。非結核性抗酸菌症の治療でlevofloxacin (LVFX) の有用性について教えて頂けますか。 今, 私の施設では結核・非結核に関わらず, ビットスペクトルSR(極東製薬工業)を使用して感受性検査をしています。プレート上では非結核性の菌の大部分がLVFXで「R」なのですが, 稀に「S」の場合があります。この場合, ドクターにはLVFXの感受性は「S」で報告してもよいのでしょうか??? 本来なら非結核性の専用プレートを使用すべきなのですが・・・。M. avium, M. intracellulare , M. kansasii, M. abscessus, M. fortuitum, M. chelonaeなどの菌種でLVFXを投与して有効な菌種があれば教えてください。 【回答】
非結核性抗酸菌の菌種毎で, LVFXに差があるかということでしたら, BrothMIC NTMで測定されたMIC値 (MIC50%) で評価すると, ほとんどの菌種で0.5〜2.0μg/ml, 例外はM. abscessusで4.0〜8.0μg/mlにあります。 蛇足ですが, 非結核性抗酸菌をビットスペクトルSRで検査すると, 多くの場合, 「耐性」に偏った結果がでます。 また, 検査センターで検査を受注されているようですが, 顧客である医師あるいは医療機関に対して, 検査の方法, 判定の方法, 精度管理の方法, 検査の限界などを, 受注前に“予め”提示しておくことが必要だと思います。私には, (1) ビットスペクトルSRで, (2) 非結核性抗酸菌を対象に, (3) LVFXを「R」あるいは「S」に判定する (判定できる) 基準をどのように定められたのか理解できません。自施設で定めたのでしょうか, 試薬製造元が提供したのでしょうか, そのように定めた根拠は科学的に明確なのでしょうか・・・ 〔参考文献〕
(琉球大学・山根 誠久) |