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【質問】
いつもこのサイトで勉強させていただいております。●●県で診療所をしております■■と申します。今回,
百日咳のことで質問です。基礎的な質問で恥ずかしいのですが, 本などを読んでいてもあまりはっきりと書かれていないので教えていただければ幸いです。
〔質問1〕
百日咳の凝集素価を調べる時に, 東浜株と山口株を調べます。この, ○○株という言い方から考えると,
菌株はその2種類のパターンに分類できると言うことなのですか??? 抗原として認識できる部分が,
菌種 (株) によってこの2パターンあって, 人体がこの部分に抗体を作ると言うことなのですか???
解ったようで解らない部分で教えていただければ幸いです。
〔質問2〕
それともう一つ, 百日咳菌の培養では, 鼻腔から綿棒で採取するのが一番検出感度が高いとされていますが,
感染すると気管支上皮の細胞に進入して増殖するようにも書かれています。とすれば,
咳嗽を平皿に吹き付け法で採取する方法もあることを考えると, 強く咳嗽して出た喀痰を培養に出しても検出されそうに思うのですが,
やはり一番検出率か高いのは鼻腔 (ぬぐい液) なのでしょうか??? 鼻腔のほうに多く百日咳菌が繁殖しやすいのでしょうか???
ご教示いただけましたら幸に存じます。
【回答】
百日咳の抗体検査として広く用いられている細菌凝集抗体価測定には, 凝集原として東浜株
(血清型1・2) と山口株 (血清型1・3) の2種類が用いられています。山口株は流行株,
東浜株は従来ワクチン株とされています。二つの凝集原に対し凝集を生じるかどうかを調べているだけですので,「菌株はその2種類のパターンに分類できる」というわけではありません。また両株には交差反応性があり,
ワクチン接種または自然感染により両抗体が陽性になる場合があることが知られています。
百日咳菌の培養のための検体は「鼻腔」というよりは「鼻咽頭 (上咽頭)」からの採取が勧められます。これは小児を対象とする場合が多かったことも関係していると思います。成人で気管支に感染が続けば,
喀痰からの検出も可能と思われます。
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