09/12/24
■ インフルエンザ菌のb型抗原
【質問】
 ●●県で小児科医をしているものです。

 侵襲性インフルエンザ菌感染症の児を見たときに, インフルエンザ菌の筴膜抗原を調べる方法についてお聞きしたいのです。菌株を専門機関に送付するのでしょうか。以前は, “メニンゴキット”というb型抗原の有無をしらべるキットがあったと思うのですが, それに代わる検査キットがあるのかどうか等教えていただきたいです。

【回答】
 インフルエンザ菌の莢膜抗原は, 培養後に得られたインフルエンザ菌を用いて市販の型別用免疫血清で判定可能ですが, 試薬のコストや使用期限, 使用頻度などの問題から, 一般の病院や検査施設では免疫血清を常備していないことが多いと考えられます。培養が必要であることから, 細菌検査室がない施設, または試薬を常備していない施設では専門機関に検査を依頼することになると思います。免疫血清はデンカ生研より“インフルエンザ菌莢膜型別用免疫血清「生研」”という名称でa_fまで6種類が市販されています。単品で販売されていますので, b血清のみの購入も可能と思います。

 質問の“メニンゴキット”という試薬は“スライデックスメニンギートキット”のことと推測されます。このキットは髄液中のHaemophilus influenzae type b (Hib) をはじめとする髄膜炎起炎菌の抗原を検出できる試薬ですが, 数年前に販売中止となっています。同様の試薬としては, “PASTOREXメニンジャイティス(バイオ・ラッド) ”が和光純薬工業より市販されています。この試薬は髄液に加え, 血清や尿中の髄膜炎起炎菌抗原も検出可能な試薬です。Hib, 肺炎球菌, 髄膜炎菌およびB群溶連菌の抗原が検出可能とされています。この試薬は培養を必要としませんので, 細菌検査室がない施設でも実施可能です。

(公立玉名中央病院・永田 邦昭) 


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