09/07/22
■ 一般細菌数の短時間培養判定の可否
【質問】
 大変参考になるので このホームページをいつも拝見させていただいております。

 私の勤める会社では冷菓の一般細菌数基準として48時間培養で3,000以下と定めておりますが, 夏場は生産が非常にタイトになる為, 時間短縮の必要性も出てきます。そこで, “培養24時間後に1/10の300以下の基準で一次判定し”, 基準を超えた場合のみ48時間後に3,000以下の基準で二次判定することを考えております。従来の経験では, 24時間から48時間の間に一般細菌数が10倍に増えることはなかったことが根拠ですが 科学的な根拠が見つかりません。やはりこのような設定は無理があるのでしょうか??? 素人の質問で申し訳ありません。

【回答】
 回答者はかつて, コンパクトドライTC (一般生菌数用の簡易培地) を開発し, 米国にあるAOACという組織からその性能を認定してもらうためにAOAC研究所の評価プログラムに則って試験した経験があります。その試験項目の中に, “堅牢性試験”という項目があり, さらにその項目の中に培養時間の違いによる菌数の誤差を見るという試験を行いました。14種類の食材を合計28品目試験しました。その結果, 24時間から48時間の培養時間と菌数の増加は質問者が記載している通り, 10倍に増えることはありませんでした。以上のことから, 「培養24時間後に1/10の300以下の基準で一次判定し, 基準を超えた場合のみ48時間後に3,000以下の基準で二次判定すること」として“問題はない”と考えます(社内基準としては)。しかし, 裏付けデータとして, 24時間後に出荷判定し, さらに培養を続けて48時間後の菌数を記録 (24と48時間後の菌数の記録)してデータを積み重ねて行くことを勧めます。

(日水製薬・小高 秀正)


戻る