07/05/02
■ イソジン消毒の乾燥
【質問】
 血液培養について質問なのですが, “イソジン消毒して乾燥するまで待つ”という根拠がわかりません。教えて下さい。忙しいと思いますがお願いします。

【回答】
 イソジン (ポビドンヨード) の殺菌作用は, イソジン水溶液から遊離するヨウ素が持つ酸化作用によるものです。遊離ヨウ素濃度が高いほど殺菌力が高まるため, 皮膚に塗布後, イソジンの殺菌力が最も高くなるまで作用時間をおく必要があります。資料によって若干差異はあるものの, 作用時間は30秒_60秒, 1_2分などと記載されています。アルコールと比較して乾燥に時間がかかりますが, 十分な時間作用させないと消毒効果が期待されません。塗布から乾燥までを目安とすると, 1〜2分間の作用時間が得られることから,「乾燥まで待つ」=「イソジンを十分作用させる」と説明されています。また, イソジンは有機物によって殺菌力が大きく低下するため, 事前にアルコール消毒によって皮膚の脂やタンパク汚れを取り除いておくことが重要です。皮膚常在菌などの混入による汚染は血液培養の結果の判断を困難にします。より明確な結果を得るために正しく皮膚の消毒を行うことが大変重要であり, 血液培養の精度を向上させるためにも大切なことです。

(日本ベクトン・ディッキンソン・小林 郁夫)


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