■ 海外食品工場での腸炎ビブリオとコレラ検査 | |
【質問】
こんにちは。いつも参考にさせて頂いております。食品会社で品質管理を担当しております。先日, 海外工場に視察に行き, 現地で実施の微生物検査の作業手順を確認いたしましたが, 本邦での方法と異なる点がいくつかあり, 教えて頂きたく, ご質問させて頂きました。 (1) 大腸菌の検査方法についてですが, フローでは, 検体25 ramgをTryptone Sel 225 ml加えて希釈し, BGLB培地に接種し, 44.5℃±0.2℃で48時間±2時間培養し, ガスの発生を確認するという手順でした。この方法は実際に用いられる方法なのでしょうか??? これ以降の工程は, EMB培地に接種など, 私が認識している手順と変わりありませんでした。 (2) 腸炎ビブリオとコレラの検査の性状試験ですが,
この確認内容で, 腸炎ビブリオ・コレラが正確に判定されるでしょうか???
【回答】
(2) 腸炎ビブリオとコレラの検査の性状試験: KIA(斜面 黄色/高層 赤, 硫化水素非産生, ガス非産生), 運動性 (+), オキシダーゼ (+), グラム陰性は両方同じです。NaCl (0, 3, 6, 8, 10%) 存在下での発育試験において, コレラでは0_3%まで発育可能ですが, 腸炎ビブリオではNaClが0%の時は発育しませんが, 3〜8%存在下で発育することから, 6%や8%の発育を見れば両者の鑑別はつきます。また, コレラはsucroseやL-ornithineを利用しますが, 腸炎ビブリオは利用しません。Sucroseが組成に入っているTCBS寒天培地では, コレラは黄色, 腸炎ビブリオは緑のコロニーを形成します。同定キットとしては, EB-20やAPI 20Eが使えます。 (日水製薬・小高 秀正)
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