09/01/20
■ 改正日本薬局方第一追補について2つの質問
【質問】
 はじめまして。私は医療用医薬品会社の■■と申します。「第十五局改正日本薬局方第一追補」への対応で, 文書の改訂を行うにあたり, ふたつ質問させていただきたいことがあります。

(1) “特定微生物試験”で, “胆汁酸抵抗性グラム陰性菌”が追加されておりますが, 「否定試験」と「定量試験」があります。否定試験を行って集落の発育が認められず、試験に適合した場合, 定量試験は行わなくてよろしいのでしょうか???

(2) 結晶セルロースの微生物限度規格は15局の段階で「特定微生物試験」として大腸菌, サルモネラ, 緑膿菌, 黄色ブドウ球菌が指定されております。今回の第一追補で新たに「特別微生物試験」に胆汁酸抵抗性グラム陰性菌, クロストリジア及びカンジダ・アルビカンスが追加されておりますが, 結晶セルロースの微生物限度規格は15局に記載されている大腸菌, サルモネラ, 緑膿菌, 黄色ブドウ球菌について (のみ) 行えばよろしいのでしょうか???

 申し訳ありませんが, 宜しくお願い致します。

【回答】
 (1) “特定微生物試験”の序文で,「本試験は、規定の条件で検出可能な特定微生物が存在しないか、又はその存在が限られているかを判定する方法である」と記載されています。よって, 否定試験を行って集落の発育が認められず, 試験に適合した場合, 定量試験は行わなくてよいと考えます。

 (2) 追補には,「本試験法は、三薬局方での調和合意に基づき規定した試験法である」と記載されています。質問者の会社の製品が欧米へ拡大することを考えれば, 結晶セルロースの微生物限度規格(15局)に記載されている大腸菌, サルモネラ, 緑膿菌, 黄色ブドウ球菌に加えて、胆汁酸抵抗性グラム陰性菌, クロストリジア及びカンジダ・アルビカンスを追加しておいた方が“無難”だと思います。

(日水製薬・小高 秀正)

【質問者からのお礼】
 今回「改正日本薬局方第一追補について」回答をいただきありがとうございました。第15改正日本薬局方第一追補で改正された微生物限度試験は, 国際調和に基づくものが多く, 記載された内容には理解しにくい部分が多くありました。今後, 第15改正日本薬局方第二追補が公布され, 今回のように多岐にわたって改訂が行われていくものと思っております。日本薬局方に関する最新の動向については, 十分に内容を理解し, 今後の業務に役立てていきたと思っておりますので, 今後ともよろしくお願いいたします。


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