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【質問】
(1) スプタザイムによって均一化された喀痰は“細胞診”にも使用できますか。
(2) 細菌の部門で, 「喀痰の塗抹検査におけるガイドライン」という言葉を研修会で耳にしますが,
具体的な内容を教えてください。よろしくお願いいたします。
【回答】
(1)スプータザイムによって均質化された喀痰は”細胞診”にも使用できますか?
細胞診検査においても, 蓄痰法などでは粘液溶解剤を使用して痰を均質化することがありますが,
それらの方法では同時に“細胞保護剤”などが添加されているようです。スプータザイムは細菌検査時に痰を溶解して均質化することを目的とした蛋白消化酵素であり,
上皮細胞などにどのような影響があるかはよく分かりませんが, スプータザイムを用いて痰を溶解し,
悪性細胞などが分散できたという施設もあるようです。あくまで本来の使用目的以外の用途で使用することになりますので,
スプータザイムによって均質化された喀痰を細胞診に使用するか否かは, 使用する施設での判断になるのではないかと思います。一度,
スプータザイム処理前と後の標本を作製し, 貴施設の細胞診担当の方と協力して細胞の見え方などを評価してみたらいかがでしょうか。その場合,
スプータザイム処理後の時間経過なども問題になるかと思います。
(2)「喀痰の塗抹検査におけるガイドライン」
喀痰に限らず塗沫検査の標準化は重要な問題であり, 学会や研究会等で様々な試行が行われているようですが,
実際には難しい問題で, 未だ明確なコンセンサスが得られたガイドラインというものは出来ていないのではないでしょうか。ただ,
県単位あるいは研究会単位では作られているところもあるかも知れませんが・・・詳細はよく分かりません。今年5月に宮崎で開催さます第56回日本医学検査学会にて,
日本臨床衛生検査技師会のひとつのプロジェクト研究として喀痰や尿の塗抹 (グラム染色)
検査での菌量表記法や培養との相関性についての発表が予定されています。この研究成果がガイドライン作成につながって行くかどうかはまだ分かりませんが,
ひとつの参考にはなるものと思います。
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