09/07/10
■ 乾パン類の微生物検査
【質問】
 いつも参考にさせていただいております。食品会社で品質管理を担当している●●と申します。

 新商品の発売に伴い, 品質管理における検査項目を調べております。食品衛生小六法やネットで調べたのですが, わからず質問させていただきました (以前, 同様に検査項目を調べるために厚労省や保健所に問い合わせたことがあるのですが, 結局食品衛生法を自分で調べるよう指示があったため, 今回は両機関には問い合わせはしておりません)。

 検体は“非常に固いパン???”のようなものですので, 乾パンもしくはフランスパンに類似しているものと判断して調べています。一般生菌, 大腸菌群は検査項目に入れておくべきだと思うのですが, その他の微生物検査でやらなければいけないものはないでしょうか。ご教授いただければ幸いです。よろしくお願い致します。

【回答】
 原料である小麦粉1 gramには, 細菌が3,500〜92,000, カビが152〜12,500, 酵母が47〜60個汚染していると記載されている書籍があります 〔好井久雄、他: 食品微生物学 (改訂増補), 技報堂出版〕。このことから, 製造環境中にはこれらの微生物が存在していると考えられます。そのため, 一般細菌, 大腸菌群に加えて, カビ・酵母数も確認した方が良いと思います。一番大変な作業は, 判定基準の設定だと思います。検査してデータを残すことも重要ですが, その検査結果が製品として出荷できる基準を満たしているか否かを裏付けるデータとして活用できるようにするためには, 劣悪な状態で保存試験をして微生物数がどのように変化するかを確認することや, 類似の製品の規格を調べて, 自社で判定基準を設定する必要があります。

(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
 ご回答いただきありがとうございました。小麦粉における細菌数の記載, 大変参考になりました。ご紹介いただいた書籍は, 今後も参考になりそうですので, 探してみたいと思います。また, 規格値については, 類似製品等を調べて設定する予定です。
 
(琉球大学・山根 誠久)

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