08/05/08
■ 細菌の蛍光染色について
【質問】
 細菌の蛍光染色に関しての質問です。

 細菌をDAPI-CFDAで二重染色しているのですが, 両者とも発光強度が弱く, 非特異的なバックグラウンドが多くなってしまいます。濃度, 染色時間など, いろいろと試しているのですが, なかなかうまくいきません。蛍光染色のコツのようなものがあれば教えてください。両者の染色濃度は, 終濃度がDAPI: 1μg/ml, CFDA: 150μg/ml となるように使用しています。顕微鏡はオリンパスBX51を使用しています。

【回答】
 回答者は2重染色ではなく, DAPIとCFDA, それぞれの単染色で観察しています。その経験から回答します。

 まず, 検体の種類によって, 蛍光強度も様々で, DAPIのみの場合でも検体中の細菌が死滅して時間が経過していたりすると蛍光強度が弱い場合があります。参考になるか分かりませんが, 対策としてまずは二重染色ではなくDAPIのみで単染色を行ってみてはいかがでしょうか。また, CFDAの場合は, 検体をろ過した後, 除菌水などを1,2回流してフィルターを洗うことで, 少しバックグラウンドの蛍光が抑えられるようになる場合があります。ただし, 検体中に含まれる夾雑物が光ってバックグラウンドが明るくなっている場合は, 低速遠心などの前処理にて[細胞]と[夾雑物]をなるべく分画し, フィルター上に夾雑物が入るのを極力抑えることが望ましいと考えます。以上, 簡単ですが参考になれば幸いです。

(テクノスルガ・ラボ・中村 葵)


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