■ 献血でのHBc抗体陽性 | ||
【質問】
B型肝炎の検査結果がきました。
【回答】
これまでHBc抗体の「陽性」は過去のB型肝炎ウイルスの感染 (感染既往)を意味し, 現在は身体のどこにもB型肝炎ウイルスは存在しないと考えられてきました。しかし最近の研究と検査技術の進歩から, HBc抗体が「陽性」の方でも, 肝臓に極々微量のB型肝炎ウイルスが眠っている (occult・オカルト状態) と考えられています。平素はなんでもないのですが, HBc抗体「陽性」の方がなにかの病気になったりするとB型肝炎ウイルスが眠りから覚める可能性が囁かれています。このような可能性を考えて, 献血ではHBc抗体が「陽性」の方の血液を輸血に使わないようにしています (検出限界以下の極々微量のB型肝炎ウイルスの混入を考慮して)。 ちなみに, このように一度感染すると身体のなかにいつまでも休眠状態で存在し, 体調を崩すと病原性をあらわすウイルスには, ヘルペスウイルスがあり, 子供の頃に感染した水痘ウイルスが休眠状態になり, 高齢になると帯状ヘルペスを発病します。 (琉球大学・山根 誠久)
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