■ 嫌気性菌の大量培養 | |||
【質問】
Propionibacterium propionicumを実験に使用している大学院生です。こちらの回答を参考にさせて頂き, 嫌気性ジャーを用いた寒天培地での培養は出来るようになりました。ありがとうございました。 さて今日は, P. propionicumを大量培養 (1 Lくらい) したく, 液体培地での培養を検討しております。うちの研究室には嫌気性グローブなどの大掛かりな装置がありませんが培養可能でしょうか??? また, もし装置を購入しなければならない場合, どのようなものを用意しなければいけないのでしょうか??? ご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。 【回答】
1 L (リットル)くらいのPropionibacterium propionicum菌液を培養するのは, 液体培地に菌を接種した後, スチール・ウール法 (steel wool) 法で嫌気ジャーに入れて培養すればできます。スチール・ウール法というのは, 酸性硫酸銅液 (Tween 80を0.25%加えた0.5_1%硫酸銅溶液で, 硫酸にてpHを1.5_2.0に修正する。使用に際し40_45℃に加温) にスチール・ウールを浸すと, その表面が還元銅の被膜で覆われて急速に酸素と反応し, 酸化鉄になる反応を利用した方法です。嫌気ジャーは簡便なもの (写真1) もあれば, 嫌気装置とセットにしたものもあります (写真2)。培養液を嫌気ジャーに入れ, スチール・ウール10 gram (ジャー内容積3 Lの場合) を40_45℃の硫酸銅液に浸し, 軽く水を切ってジャーに入れます。嫌気ジャーを真空ポンプにて約20_30 mmHgまで吸引, 減圧した後, 密封して培養します。具体的な操作方法は下記の本を参考してください。 〔参考文献〕
(テクノスルガ・ラボ・立里 臨)
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