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【質問】
診療報酬改正に伴って“検体管理加算”をとるために細菌顕微鏡検査が要件に入りました。“検体管理加算”を取得するためには,
チ−ル染色をか, グラム染色をのどちらを取り入れたらよろしいでしょうか???
当院では細菌検査室以外の検査技師も救急当番に入ります。慣れない検査なので,
どちらの検査がリスクが少ないのか, 問題点をご教授ください。
【回答】
検体検査管理加算を算定するための要件 (3) のエには「排泄物、滲出液又は分泌物の細菌顕微鏡検査
(その他のものに限る。)」とあります。その他とは, 蛍光顕微鏡, 位相差顕微鏡,
暗視野装置等および保温装置使用のアメーバ検査を除外したものとなります。従って,
通常の光学顕微鏡での検査が該当します。質問は「チール・ニールゼン染色とグラム染色のどちらを選択するか」ということですが,
算定に必要な要件からだけすれば, どちらの染色を行っても算定することは可能でしょう。ただ常識的には,
臨床的な必要性の広さと網羅できる菌種の広さからすれば, グラム染色が“優先する
(必須ではないが)”と考えます。当院では, グラム染色とキニアン染色 (冷抗酸菌染色)
を採用し, 併せて血液寒天培地とチョコレート寒天培地に検体を接種, 培養する対応を行うことにしています。染色用の固定には“火”を用いないホットプレートを、抗酸菌染色でも加熱を必要としないキニアン染色を、検体の塗沫は小型の無菌箱内で行うようにしています
(細菌検査室ではなく、緊急検査室で検査するため)。
(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
早速, ご回答ありがとうございます。細菌検査室ではグラム染色を薦めていました。しかし,
当院では救急時のベットコントロ−ルと結核病棟があるため, チ−ルネルセン染色からはじめることになりました。当分の間,
細菌担当検査技師がオンコ−ルで対応してきます。2〜3ヶ月で細菌担当以外の検査技師もチ−ルネルセン染色と鏡検ができるように研修をいたします。チ−ルネルセン染色は感染症とも係わるので疑陰性,
疑陽性などが心配です。その後, グラム染色の研修も行う予定です。ありがとうございました。
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