07/10/03
■ 化粧品微生物限度試験について
【質問】
 初めまして。化粧品の品質の担当をしている●●と申します。化粧品微生物限度試験の培養期間と温度についてお聞きしたく, ご連絡しました。

(1) 日本化粧品工業連合会の資料には, 「細菌数測定は30〜35℃で少なくとも5日間培養後, 集落数を計測する」と記載されています。30〜35℃で5日間培養してコロニーが確認されなかった場合, どのくらいの期間微生物汚染がないと判断できるのでしょうか??? 

(2) 弊社はこの温度と期間でコロニーを計測していますが, 弊社の取引先では36℃で2〜3日培養してコロニーを確認すると聞きました。取引先で36℃で2〜3日培養すると, 弊社が30〜35℃で5日間培養してコロニーが確認できなかったものでも, 1000個以上のコロニーが確認できるとのため, 製品を出荷できないとのクレームがきます。温度と培養時間の違いで, 微生物汚染がないと判断できる期間が変わってくるものなのでしょうか???

(3) 製品には使用期限を記載していないため, 3年間の品質を保証しないといけません。3年間の品質保証をするためには, 培養温度何度で, 培養何時間, この試験を行えばよいのでしょうか???

長くなってしまいましたが, お返事をいただけたらと思います。お手数ですがよろしくお願い致します。

【回答】
(1) わかりません。化粧品の種類とそこに汚染している微生物によって違うと考えられます。この答えを出すためには, 質問者の会社で取り扱っている化粧品を用いて, 今までに分離した微生物の中から代表的な株を接種して, 40℃, 25℃, 4℃で保管して, 定期的にサンプリングして菌数を確認してください。

(2) 取引先の方法を通常の品質試験と併行して試験してみてください。36℃, 2_3日間培養で出現する微生物は, 30_35℃, 5日間培養でも増殖する可能性があります。培養結果の確認方法 (コロニーの見方など) や無菌操作など, 双方で再確認してください。

(3) 3年間の品質保証をするためには, 3年間保存試験するのが基本です (例, 品質に関するデータがない一番最初の段階では, 製品を40℃, 25℃, 4℃で保管して1ヶ月に一回の割合で微生物試験やその他物理化学試験をします。これを3年間続けてその製品の品質保証とします。また, 二度目からはロット毎に保存して定期的に試験を行います。このようなデータの積み重ねが会社の信用につながります)。生菌数試験の培養温度と培養時間は, 日本化粧品工業連合会の資料に従ってください。

(日水製薬・小高 秀正)

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