07/05/02
■ 血液培養の適応
【質問】
 当院のIVHや尿バルンなど, リスクのある入院患者さまを対象に, 日々, 発熱などの症状の把握を行い, 38℃以上の発熱を認めた場合, リスク部位の培養検査と血液培養を実施しているのですが, 担当医より38℃以上の発熱が認められたからといって直ぐに血液培養を提出するのはいかがなものかとの意見がありました。実際, 入院患者の検出菌監視を行う上で, 血液培養を行う場合とはどういう場合に提出すべきなのでしょうか???

【回答】
 どうも質問の意味が理解できません。“検出菌監視を行う上での血液培養”という表現はなにを意味するのでしょうか??? 血液培養は, 患者が細菌 (真菌を含む) 感染症を起こしていると疑われる場合に実施する検査です。従って, 医師が細菌感染症を疑っているのか否かが最初の分岐点です。医師が発熱の原因を正確に診断していて, 感染症はないと確定されていれば, 徒に, 盲目的に血液培養を実施する必要はありません。発熱の原因が確定せず, 感染症が否定できない場合に, 藁をも掴む思いで, 血液培養を実施することになります。“38℃以上の発熱が認められたからといって直ぐに血液培養を提出するのはいかがなものか”と仰る担当医は, 自らの臨床診断に相当な自信をもっておられるか, あるいは正確な診断へのアプローチを無意味だと考えられているか, いずれかだと思います (病院の経営, 査定減も頭にあるかもしれません)。

(琉球大学・山根 誠久)


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