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【質問】
初めてメールさせていただきます。■■と申します。●●大学5年に在籍しています。
現在, 卒論のテーマでCampylobacterを扱っているのですが, 増菌に使用する血液寒天培地について質問があります。血液寒天培地には,
ウマやヒツジの脱線維素血液を使用していますが, 線維素を除くのはなぜなのでしょうか???
また, 溶血した血液は使用できないと聞いているのですが,
なぜでしょう???
ごく初歩的な質問なのかもしれませんが, 何卒よろしくお願いします。
【回答】
血液寒天培地に添加する血液に脱線維素血液が使われている理由としては,
(1) 培養した菌集落の溶血を見る場合に, 線維素により正しい溶血を示さない場合があるためということ,
また, (2) 製造中にフィブリンが析出し, 製造上問題となる恐れがあることが挙げられます。また,
溶血した血液は使用できないというのは, 一般の血液寒天培地に関して申しますと,
血液寒天培地では, 培養した菌集落による溶血を観察することが重要とされているためです。溶血した血液を培地に添加しては菌集落による溶血を見ることができません。また,
血液も古くなると溶血します。そうした古い血液を使用した場合は, 発育支持などにも影響があると思われますので,
溶血した血液は使用できないと考えます。しかし, Campylobacter に関して申しますと,
スキロー培地にはウマの溶血液が添加されております。この場合は, 溶血の有無を観察するのではなく,
発育支持が重要とされるためです。
(日本ベクトン・ディッキンソン・鈴木 芳子)
【質問者からのお礼】
回答, ありがとうございました。大変参考になりました。
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