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【質問】
食品会社で品質管理をしている者です。“えのき”などの“きのこ類の製品”で,
製品の一般生菌数のカウントの仕方をお聞きしたくメール致しました。
原液を寒天培地で, 37度で48時間培養したものを確認すると, シャーレの一面に白いもやもや状のものが確認されます。こちらは,
一般生菌数をカウントする場合は「カウント不可」とし,
希釈したものをカウントして算出しております。しかし別の検査機関では, このシャーレを「1」とカウントするとお聞きしました。きのこ類と細菌類では,
一般生菌数のカウントの仕方が違うのでしょうか??? 自分では胞子状のものが一面にあり,
どうしても「1」と数える理由がわかりません。写真を添付いたしましたので,
判断して頂けませんでしょうか。宜しく御願いいたします。
【回答】
写真を拝見しました。大きく広がっているのはBacillus属の細菌だと思います。さらに,
そのコロニーに覆われていない寒天培地部分をよく観察してみると, 寒天中にコロニーらしいものが2_3個見られます。食品衛生検査指針
(2004年) によりますと,「拡散集落の部分が平板の1/2以上となり, 集落数が測定できない場合は実験室内事故とする」と記載されています。その記載箇所には「なお,
アルコール綿などにより寒天平板上を丁寧にぬぐって拡散集落を除去し, 発生集落数を計測することにより細菌数を推定できる」とあります。Bacillus属の細菌は,
土壌や埃など環境中に多数存在しているため, キノコなどの製品を細菌検査すればしばしば検出されます。日常の検査で,
この様な状況で困る場合には, 正式なやり方ではありませんが, 標準寒天培地で混釈し,
一回寒天を固めた後, その上からさらに標準寒天培地で重層すれば, 大きく広がるコロニーを抑制できます。
(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
ご返信ありがとうございました。大変御多忙の中にも御教授を頂きありがとうございました。今後の検査の充実に努めて参ります。やはり乾物のきくらげ,
きのこ類に検出されております。ご教授頂いた培地の重層を試してみます。ありがとうございました。
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