09/06/09
■ 呼吸管理患者からのインフルエンザウイルス検出用検体
【質問】
 いつも勉強させていただいております。私は病院で細菌検査を担当している検査技師です。

 インフルエンザウイルス抗原検査では鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液を検体として検査をしていますが, 呼吸管理を行っており, 鼻や口からの呼吸をしていない方からの検体採取はどのようにしたらよいのでしょうか??? 宜しくお願いいたします。

【回答】
 どうも質問の意味がはっきりしないのですが・・・インフルエンザウイルスは飛沫感染で上気道に感染します。ところが, 患者は挿管されていて人工呼吸器からの管は直接, 気管あるいは気管支に連結されている。さて, 患者のどこをぬぐって検査すればよいかということでしょうか・・・まず, 担当主治医に尋ねることです, 「どこにインフルエンザウイルスがいると思いますか???」。ウイルスは空気の流れに乗って感染しますから, 気流の発生しない場所 (鼻腔や咽頭) にいる可能性は低いと思われます (ただ, 鼻腔や咽頭の細胞はウイルスの感受性が高いので, たまたま落ちて来たウイルスが感染する可能性はあります)。従って, 気流のある人工呼吸器回路, 管, 患者の気管, 気管支が検査対象になると考えますが, 感染リスクの強弱 (感染の可能性) を考慮して担当主治医に判断してもらうのがよいと思います。

(琉球大学・山根 誠久)


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