07/10/24
■ 酵母培養には混釈培養, 平板培養???
【質問】
 培地の作成方法について教えてください。私は, 梅干製造業の研究室で品質管理を行なっています。

 現在は, 従来より行なわれてきた, 標準寒天培地の平板に0.5 ml撒いて, “平板培養”をしております。しかし, 梅干ではほとんどの場合, 酵母菌が増殖できるだけなので, クロラムフェニコール入りのPDAで酵母菌を検査するようにしようと思います。この際, “酵母菌にとっては混釈培養が良いのか, 平板培養がよいのか”迷っています。ルーチンワークに使用するので, なるべく早く結果がわかるほうが良いのですが, どちらがよいでしょうか。

【回答】
 平板培養をお勧めします。酵母は空気存在下で旺盛な発育をするためです。余談ですが, 回答者らが開発したコンパクトドライYMはFDA BAM法のDRBC (Dichloran Rose Bengal Chloramphenicol) 寒天培地の平板塗抹法と比較して良好な結果を得ています(Kodaka H. et al.: Comparison of the Compact Dry YM with the FDA BAM Method for Enumeration of Yeasts and Molds in Fruit-Based Products. J. AOAC INTERNATIONAL, 89(1): 127〜138, 2006.)。コンパクトドライYMを使いますと, 平板塗抹操作が省略でき, なおかつ発色基質によりコロニーの確認が容易です。

(日水製薬・小高 秀正)


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