09/01/13
■ 抗酸菌染色でのコンタミ
【質問】
 初めて質問させていただきます。病院勤務の臨床検査技師です。

 チール・ネルゼン染色でガフキー1号の患者さんで, TB-PCR, MAC-PCRがいすれも「陰性」となり, 主治医のほうから, 「手技的なコンタミがあるのではないか」と言われました。調査の結果, 水道の蛇口に付けているホースから, チール・ネルゼン染色で抗酸菌がみつかりました。培養もしていますが, 5日目なのでまだはえていません。染色の途中に, 水道水で流水水洗をしていました。染色途中でコンタミする可能性はあるのでしょうか。今はホースを取り外して流水水洗をしています。また, 今後の注意点があれば回答をよろしくお願いします。

【回答】
 感染症があるとするならば, PCR法で検出できないTBやMAC以外の抗酸菌の可能性を考える必要があります。もし, 水道水の影響があるとするならば, もっと高頻度に陽性になるはずですので, 流水水洗によるものではないと考えられます。コンタミの可能性を疑うとすれば, 提出された検体の可能性が高いと思います。検体の種類が分かりませんが, 気管支鏡で採取した検体から (気管支鏡を汚染していた) 非定型抗酸菌の分離例も報告されていますので, 今一度確認をされてはいかがでしょうか。蛇口から抗酸菌がみつかったとありますので, 定期的な清掃にも心がける必要があります。

(愛媛大学・村上 忍)


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