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【質問】
私は現在, 抗酸菌の検査を担当している者です。
抗酸菌の長期保存方法を検討しています。いくつか書籍を見てみましたが,
具体的な方法を記載しているものにめぐり合えず, 進展がストップしてしまいました。もしよろしければ抗酸菌の保存について,
通常どのようにするのか教えていただけないでしょうか???
併せて, 抗酸菌を長期 (年単位で) 保存する方法を教えていただけないでしょうか???
よろしくお願いいたします。
【回答】
臨床の検査室で抗酸菌を長期保存する目的は, ほとんどの場合, 精度管理用の菌株です。その経験からすると,
(1) 卵培地 (小川培地など) や液体培地 (Middlebrook 7H9 broth) では室温あるいは37℃保存で1ケ月毎に継代培養,
(2) 卵培地に生えた菌株を4℃保存だと1年間, (3) スキム・ミルク溶液あるいは液体培地に菌浮遊液を調製して,
急ぎ?20℃〜?80℃に凍結保存すると数年間は (実際には10年以上でも) 保存可能とされています。最も安定な保存方法は凍結乾燥してしまうことです。
(琉球大学・山根 誠久)
【追加質問】
回答ありがとうございます。回答文に関してお聞きしたいことがございます。
凍結に用いるスキムミルクの濃度は通常10〜20%といわれていますが, 抗酸菌はどの割合がよろしいのでしょうか???
また,「急ぎ-20℃〜-80℃に凍結保存する」というのはスキムミルクで菌懸濁液を作製した後,
急速に凍結するということでよろしいのでしょういか???
基本的な質問を重ねてしまい申し訳ございませんが, どうぞよろしくお願いいたします。
【回答】
抗酸菌の保存でも, 一般細菌と同様, 10%程度の濃度のスキム・ミルクで結構です。スキム・ミルク溶液に抗酸菌の菌体を懸濁して,
非常識ではない時間内に凍結するという意味です。
(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
了解いたしました。いろいろとご親切にありがとうございました。
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