08/08/25, 30, 9/17
■ 抗酸菌の保存方法
【質問】
 私は現在, 抗酸菌の検査を担当している者です。

 抗酸菌の長期保存方法を検討しています。いくつか書籍を見てみましたが, 具体的な方法を記載しているものにめぐり合えず, 進展がストップしてしまいました。もしよろしければ抗酸菌の保存について, 通常どのようにするのか教えていただけないでしょうか???

 併せて, 抗酸菌を長期 (年単位で) 保存する方法を教えていただけないでしょうか??? よろしくお願いいたします。

【回答】
 臨床の検査室で抗酸菌を長期保存する目的は, ほとんどの場合, 精度管理用の菌株です。その経験からすると, (1) 卵培地 (小川培地など) や液体培地 (Middlebrook 7H9 broth) では室温あるいは37℃保存で1ケ月毎に継代培養, (2) 卵培地に生えた菌株を4℃保存だと1年間, (3) スキム・ミルク溶液あるいは液体培地に菌浮遊液を調製して, 急ぎ?20℃〜?80℃に凍結保存すると数年間は (実際には10年以上でも) 保存可能とされています。最も安定な保存方法は凍結乾燥してしまうことです。

(琉球大学・山根 誠久)


【追加質問】
 回答ありがとうございます。回答文に関してお聞きしたいことがございます。
 凍結に用いるスキムミルクの濃度は通常10〜20%といわれていますが, 抗酸菌はどの割合がよろしいのでしょうか??? また,「急ぎ-20℃〜-80℃に凍結保存する」というのはスキムミルクで菌懸濁液を作製した後, 急速に凍結するということでよろしいのでしょういか???
 基本的な質問を重ねてしまい申し訳ございませんが, どうぞよろしくお願いいたします。

【回答】
 抗酸菌の保存でも, 一般細菌と同様, 10%程度の濃度のスキム・ミルクで結構です。スキム・ミルク溶液に抗酸菌の菌体を懸濁して, 非常識ではない時間内に凍結するという意味です。

(琉球大学・山根 誠久)


【質問者からのお礼】
 了解いたしました。いろいろとご親切にありがとうございました。


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