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【質問】
こんにちは。●●といいます。大学生です。
大学で, 細菌の薬剤感受性測定について, 液体希釈法でE. coliのCBPCやCPFX,
TCなど, 5種類の薬剤に対する感受性や寒天平板希釈法でE.coli 007,800やP.
aeruginosa 8823、S. epidermidis 893など, 8種の菌種・菌株を用いてアンピシリンの感受性を調べ,
MICを求めました。MICの値が小さいほど抗菌力が大きいということは分かったのですが,
薬学部なのでPK/PDなどを含めた広い視野で結果をとらえていきたいと思いました。しかしPK/PDを調べてみるとAUCやCmaxという言葉が出てきて,
言葉の意味は理解できましたが少し難しく感じました。やはり抗生物質の抗菌力の測定に関してMICやPK/PDにはAUCやCmaxがつき物なのでしょうか???
御教授いただけましたら幸いです。よろしくお願いします。
【回答】
質問の内容が, どうも混乱しているようです。“抗生物質の抗菌力の測定”イコール“MIC
(時にはMBC)” と考えて, まず間違いではありません。MICは, 至適の培養条件で,
一定濃度の菌株と抗菌薬を混和し, その条件で, その菌株が菌発育するか否かという,
純然たる, 菌株と抗菌薬のみで決まるin vitroの指標です。他方, PK (薬物動態:
血中あるいは組織内濃度)/PD (薬力学: 炎症部位に到達した抗菌薬の抗菌活性),
AUC (血中濃度時間曲線下面積), Cmax (最高血中濃度)といった指標はまったく別の次元のもので,
抗菌薬が投与された“生体”から得られるin vivoの指標です。もちろん,
その抗菌薬を実際に使用した際の臨床的な有効性や投与方法を適切に予測, デザインするためには,
MICのみでなく, PK/PDの理解も必要となります。
(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
MBCという言葉は始めて知りました。抗菌薬のことをもっとよく調べて理解していきたいと思います。ご回答ありがとうございました。
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