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【質問】
はじめまして。魚病診断を行なっております。
養殖業者のマダイで, 鱗が脱鱗する症状が出たため, 患部から菌分離 (2%Naclトリプトソーヤ寒天培地,
25℃) しました。コロニーを0.85%NaCl溶液に希釈し, Api20Eにかけたところ,
Pasteurella
multocida ではないかと思われました。疑問なのは:
(1) TCBS寒天培地に生える
(2) 普通寒天培地に生える(18℃)
から, Pasteurella multocida ではなく, ビブリオの1種ではないかと疑っています。いかがでしょうか???
【回答】
普通寒天培地には栄養要求性の強くない好気性, 通性嫌気性菌であればコロニーを形成します。TCBS寒天培地は,
グラム陽性菌, 陰性菌の増殖を抑制し, ビブリオ属に対して選択性の高い培地ですが,
ビブリオ属以外の細菌もコロニーを形成します。Api 20Eで同定できるビブリオ属の細菌は臨床的に重要な8種類だけですので,
このキットでビブリオ属の名前が出てこない場合でもビブリオ属ではないと言い切れません。従って,
今回の結果だけでは調査中の細菌をビブリオ属の菌か否か判定することはできません。
(日本水産・植野 理恵)
【質問者からのお礼】
回答くださりありがとうございました。
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