09/02/26, 28
■ モルトン栓とシリコン栓
【質問】
 食品会社で品質管理をしている■■と申します。

 弊社では大腸菌群をBGLB培地にて試験を行っていますが, その際, 試験管に使用するのは“シリコ栓”を使用しております。一方, 一般生菌などに使用する希釈水は“モルトン栓 (つめあり)”を使用しております。これは, 私が入社した時からこのような使い分けをしていたので, 何の疑問も持たずに業務を行っておりましたが, シリコ栓がどうも使いにくい (着脱や洗浄など) ので, モルトン栓に変更したいと思っているのですが, 問題はないでしょうか。

【回答】
 厳密にシリコン栓とモルトン栓を区別して使うルールは特にないと思います。シリコン栓は耐熱性があり, 乾熱滅菌が可能で, 耐薬品性もあります。かつての昔のように綿栓を作るよりは大変便利です。しかし, 通気性は綿栓より若干悪いため, 試験管内壁に水滴が残りやすいことで, 場合によってはコンタミの原因にもなります (回答者自身の経験)。

 モルトン栓も耐熱性があり, 腐食がなくて金属イオンの溶出による培地汚染がないです。また, 管口にかぶせるようになっていることから, 手指など直接触られることが避けられるので管口を汚染させることが少ないと思われます。モルトン栓は簡単に密栓ができますので, 生菌数測定の際に希釈液を入れるなど, 多数の試験管などの栓として便利です。しかし, 管口に若干隙間がありますので, 液体培養試験管を倒した場合などに菌液がこぼれたり, 液体の蒸発が考えられます。試験の効果と便利さを考えて, どの栓を使うか選択すればよいと思います。

(テクノスルガ・ラボ 立里 臨)


【質問者からのお礼】
 回答いただきありがとうございました。どちらも選択可ということですので, 今後使い易さを考慮したいと思います。


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