■ MRSAでの薬剤感受性試験 | |
【質問】
感受性 (試験の方法) はK-B法で, グラム陽性球菌の感受性は, AMPC・CMZ・MINO・ABPC/SBT・LVFX・CTRX・MEPMを実施しています。MRSAと同定された時は, すべて判定は「R (耐性)」と表記するように言われたのですが, MINOなどに阻止円ができ「I (中間)・ S (感性)」 の時がありますが, 「R」 にしなければならないのでしょうか。お教え下さい。 【回答】
質問にあるMRSAでの結果報告ですが, CLSI M100の勧告では, 以下のように記載しています: For oxacillin-resistant S. aureus and coagulase-negative staphylococci (MRS), other β-lactam agents, ie, penicillins, β-lactam/β-lactamase inhibitor combinations, cephems, and carbapenems, may appear active in vitro, but are not effective clinically. Results for these drugs should be reported as resistant or should not be reported (オキサシリン耐性の黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌については, 〔オキサシリン〕以外のその他のβ-ラクタム剤, すなわちペニシリン剤, β-ラクタム剤とβ-ラクタマーゼ阻害剤との合剤, セフェム剤, カルバペネム剤がin vitroの 〔薬剤感受性試験で〕抗菌活性を示す場合もあろうが, 臨床的には無効である。これらの薬剤の試験結果については耐性として報告すべき, あるいは一切結果を報告しないようにする) このなかには質問にあるMINOは対象になっていません。ただ, 繰り返しますが, それぞれの医療施設で報告方法を決定できるのです。質問者の施設で分離される“MRSAがMINOにほとんど耐性であるのなら”, 避け難い検査のエラーを回避する意味ですべて耐性として報告する方法は理解できますし, 正しい選択だと考えます。 (琉球大学・山根 誠久)
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