07/04/23
■ 生食用鮮魚介類検査の最確数判定表に疑問
【質問】
 誠に些細な質問で恐縮です。「食品衛生法」に定められている生食用鮮魚介類の腸炎ビブリオの最確数検査において用いる最確数表の“係数”という表現に疑問を感じております。

「生食用かき」の.coli検査の最確数表も係数ですが, こちらは係数を10倍して最確数を求めているので理解できます。しかし, 腸炎ビブリオ検査に用いる最確数表の係数という表現はいかがなものでしょうか???「菌数」または「最確数」とするべきではないでしょうか???

【回答】
 質問者の意図が正確には理解できません。法律の表現, 字句に関する疑義は, 本来, 私的なこの「質問箱」のようなところではなく, 公的な機関に問い質すべきだと考えます。一つ一つの法律の言葉尻を追求して行きますと, 本末転倒になる可能性があります。これは, 日本語という曖昧な言葉の宿命だと思います。かつて回答者が米国で科学論文の書き方の講義を受けた時, 講師の先生から「科学論文に適さない言語としてスペイン語と日本語である」と教わりました。

 三省堂の大辞林には,「係数」という言葉に対して次の三つの説明がありました:「1. (数) 単項式・多項式また方程式の各項において, ある変数に着目した際, その変数から成る単項式にかけられている数または文字。2. (化) 化学反応式において分子式の前にある数字。3. (物) 比例関係にある二つの物理量において, その関係式の比例定数をいう」。回答者の理解していることは, 「食品衛生法」に示されている最確数の表にある係数は, 希釈倍率によって結果が違ってくるため, “係数”としているのではないかということです。

(日水製薬・小高 秀正)


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