08/11/20
■クオンティフェロン (QFT) 検査と労災請求
【質問】
 当院にて入院患者 (結核患者) と濃厚感染にて, 医師・看護師数名がクオンティフェロン (QFT) 検査を受け, 結果は「陰性」でありましたが, 労災で請求できるものでしょうか。それとも病院の負担となるのでしょうか。労災に携わり日も浅いこともあり, ご教授をお願いしたいと存じます。質問の仕方が不十分だとは思いますが、その点お汲み取りください。

【回答】
 率直に言って, 労災請求は極めて困難だと思います。目に見えないエアロゾルによる感染が原因となる結核の場合, 結核の発症と業務 (労務) との因果関係を明確に証明することがほとんど不可能だからです。さらに, この事例の場合,クオンティフェロン (QFT) 検査の結果が「陰性」なので, “労務上の災害”が発生していないことになります。回答者の施設では, 感染対策費の予算から経費負担をしています。ただ, 認定の基準も都道府県単位で異なりますし, 質問者の施設自らが労災認定の可否を行う立場ではなく, 認定を申請する (単にお伺いをたてる) 立場ですので, 経験してみるという意味で, 申請を一度試みるのもよいと思います。

(琉球大学・山根 誠久)


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