08/07/24
■冷凍食品を解凍後, 10℃保管で急増する菌種
【質問】
 小規模で食品製造を行っております。

 商品芯温80度で5〜10分程度保持して殺菌した商品を冷凍し, 包装。包装後の初発菌数は一般生菌数300個/g以下, 大腸菌群「陰性」の結果がでております。解凍後10℃にて保存テストを実施したところ, 2〜3日を境に一般生菌数が急増し, デソキシコレート培地にも反応が見られるようになります。ただ, 大腸菌群特有のコロニーではなく, 乳白色や, 培地の中に赤っぽい点のようなものが見受けられます。標準寒天培地には, 通常のコロニーと, “モヤモヤとした筋状の形”をしたものがでてきます。10℃保管で急増する菌種は何なのでしょうか。

 これ以上の検査は技術的に難しく, 分析機関に依頼しようと考えておりますが, 何かしらの菌種の可能性だけでもわかればと思い, 質問いたしました。頼るところが御座いませんので, 何とか宜しくお願い致します。

【回答】
 回答者の経験から, Bacillus属の細菌が芽胞として食品中に残存して, 10℃ぐらいに置かれると徐々に芽胞が発育して栄養細胞となり, 標準寒天培地において肉眼で見えるようになると思います。また, 包装は無菌条件で行われていないと思われますので, 二次汚染によりFlavobacteriumPseudomonas属の細菌 (デソキシコレート培地で乳白色や培地の中に赤っぽい点のように増殖) などが増殖してくると思います。食材や製造環境なども大きく影響しますので, あくまでも回答者の経験で回答しました。

(日水製薬・小高 秀正)

【質問者からのお礼】
 ご回答, 誠に有難う御座います。お教え頂きました細菌類について一度調査をしてもらうように致します。誠意のあるご回答を頂き感謝いたします。本当に有難う御座いました。


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