07/07/09
07/07/10
■ サルモネラ菌のH型別について
【質問】
 サルモネラのH抗原の型別についてお聞きします。●●県の家畜保健所で養鶏場の環境拭き取り材料からサルモネラ検査をしています。

 いくつかの分離したサルモネラは, H1相から数字の型がでたり, 抗原構造表にあてはまらない型がでました。調べたところ, 必ずしも始めに発現しているH抗原がH1相とは限らないということなのですが, それならばH1相の時点で抗原構造表にあてはまらない株でも“型別不能”と早急に断定するのではなく, H2相まで調べた上で, もし表からH1相とH2相を逆にすればあてはまる型があれば, 分離株をその型だと言ってよいのでしょうか。もしよいのであれば, H1相と2相の発現の型が逆のものは, 病原性などに違いはないのでしょうか。

 ちなみに, 検査に使用しているのはデンカ生研のサルモネラ免疫血清と相誘導用培地です。どうぞよろしくお願いします。

【回答】
 サルモネラのH抗原については, もともとアルファベットを1相、数字を2相とされており, 通常は1相が出ていて相誘導すると2相が現れるといわれていました。しかし現在では, そのようなことは言われなくなってきており, 最初から2相が出ていたり, 相誘導しなくても1相と2相が同時に検出される株も時々存在します。サルモネラのH抗原の相は, 双方向的に相変異を繰り返しているようで, 両者が「比率は大きく異なるが混在している」という解釈が正しいように思います。従って, ご質問の順番については, 型別や病原性に関係なく, どちらが先であっても組み合わせが合っていれば, 型別表にならって型別が可能です。

(デンカ生研・星 綾香)


【質問者からのお礼】
 丁寧な御回答ありがとうございました。鶏舎の環境から分離された株は, H抗原の順序が逆のものも多く型別に困っていたのですが, 解決できました。どうもありがとうございました。


戻る