|
【質問】
●●県家畜保健衛生所の■■と申します。
鶏舎の環境 (ほこり) から検出したサルモネラがO8群, H1, 5まで分かったのですが,
Hのもう1相を誘導しようとすると, 途中でとまってしまい判定ができません。2相目が逆転して現れているようですが,
サルモネラ抗原構造表で調べても, “8: 1, 5: −”に該当する血清型が見つかりません。1相目が消えてしまうこともあるのでしょうか???
この場合はどのように判定すればよいでしょうか??? よろしくお願いいたします。
【回答】
分離されたサルモネラのH抗原の片一方が発現しないとのことですが, このような株の場合,
免疫血清を使用した同定検査ではある程度限界があるかもしれません。ひとつ方法があるとすれば,
相誘導培地に“添加する血清の量を半分にする”ことくらいですが, 必ずしも発現するわけではないようです。抗原表によると“8:
1, 5: −”の血清型は確かにないようですが, “−”に何かが入るとすると,
可能性のある血清型は数種類あります。正確な同定はできませんが, これらのいずれかに当てはまる可能性は高いといえます。前の方法で発現せず,
かつどうしても血清型を確定する必要がある場合には, 遺伝子検査など, 他の検査方法も検討されることをお勧めします。
(デンカ生研・星 綾香)
【質問者からのお礼】
早速のお返事ありがとうございました。ちなみにその後, 時間はかかったのですが,
相誘導の反対側に菌が到達したのでH抗原をあてたら同じ1, 5でした。農家への結果通知はO8群でしています。また,
わからないことがあれば質問させてください。ありがとうございました。
|戻る|
|