10/07/06
■ SCD寒天培地に発育したカビ
【質問】
 ネットサーフィンしていて, 本サイトにたどりつきました。●●の品質管理を担当しております■■と申します。弊社は化成品をはじめ原薬製造及び品質管理を行っております。

 原薬の衛生管理の指標として空中浮遊菌の測定を定期的に行っています。SCD培地を27℃で5日間培養していますが, 4日目に写真のように真菌周辺の培地が赤変しました (写真は7日目になります)。ピントがぼけていますが写真を添付いたします。

 SCD寒天培地を赤変させるこの菌集落, どのような菌・真菌が考えられますでしょうか??? 宜しくお願いいたします。

【回答】
 質問に記されている情報および添付写真からの「空中浮遊菌で, SCD培地中に赤色系の色素を産生し, コロニー表面がやや羊毛状??? の真菌 (カビ)」だけの情報から, どのような菌であるか回答することは甚だ困難です。Penicillium属, Fusarium属など, 様々な可能性が考えられます。

 カビを同定する際には, 培地上のコロニー性状 (色調など) だけでなく, 胞子 (分生子) の形成様式などが重要なキーとなりますので, まずは胞子を形成していないかを光学顕微鏡で観察することを勧めます。シャーレを光学顕微鏡のステージに載せて, 直接, 観察する。または, プレパラートを作成して観察するなどの方法があります。

 カビの観察および同定方法については,「カビ検査マニュアルカラー図譜〔2002: 高鳥浩介 監修〕」などにわかりやすくまとめられていますので参考にしてみてください。

(テクノスルガ・ラボ 喜友名 朝彦)


【質問者からのお礼】
 早急のご回答のご連絡ありがとうございました。基本からまずつかんでいきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願いいたします。


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