07/12/21
07/12/27
■「薬局方」の“シードロットシステム”とは
【質問】
 私は●●に勤務しております■■と申します。いつも大変参考にさせていただいております。

 今回, 先日告示されました「薬局方」第十五改正日本薬局方第一追補における「微生物限度試験法」の改正に示された“試験菌の調製はシードロットシステムに則り継代5回まで”という内容について, 2点ほど御教授頂きたいと思います。

 1点目は, この“シードロットシステム”とは何か明確な規定がある手法なのでしょうか。

 2点目は, “継代5回まで”とありますが, どの範囲までを1回の継代と計数してよいのでしょうか・・・現在, 保存菌株の再保存操作は通常, “増菌培養→平板上での単離→再増菌培養→保存”という手順をとっており, 単純に計数すると, 一度の再保存操作で継代回数3回となり, 標準菌株の購入後, ほぼ一度しか再保存できないということになってしまいます。従って, これらの一連の操作を含めて“1回”と計数してよいのでしょうか。

 初歩的なことで申し訳ありませんが, ご返信をよろしくお願い致します。

【回答】
“シードロットシステム”の明確な規定についてはわかりません。ここではUSP 2005を参考にして回答します。USPではseed-lot techniques”と書かれています。継代は凍結, 溶解, 培養が1サイクル (1継代) としていますから, 菌株を購入して増殖させて1継代 (購入先から考えると2継代目) となります。もし, 液体培地で増殖させたら, 遠心してペレット (沈渣) にします。ペレットに対して20倍量の保存用培地で菌を浮遊させ, それと同量の20%グリセリン溶液を加えます。それを小分けにしてマイナス50℃以下で凍結保存します。寒天平板培地で増殖させた場合は, 10%グリセリン加保存培地で菌浮遊液を作製します。同様に小分けにしてマイナス50℃以下で凍結保存します。また, 動物用生物学的製剤基準の一部改正案の概要にもシードロットシステムについて書かれていますので参考にしてください。

(日水製薬・小高 秀正)

【質問者からのお礼】
 早速のご回答ありがとうございました。今回のご回答を参考に検討していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします.

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