07/07/23
■ 生菌数の判定が大きく変動する
【質問】
 こんにちは。弊社は生鮮品を生産している工場です。外部検査機関へも検査依頼をしておりますが, 自社の検査室内のみ, 5月半ば頃より, 一般生菌数の判定時に10倍と100倍の結果数値の桁が合わないということが起きております。判定数値が, 10倍で10の4乗 (10^4), 100倍が0であったり, 10の2乗で誤差が激しい状態です。10倍の培地で小さな無数のコロニーが発生し, 培地表面上にも無数のコロニーが浮いています (雑菌であるかと思います)。こちらとしても, 検査方法の見直し (無菌操作の不備, 攪拌方法, 試料の接種量他の確認) やインキュベーター内の温度も毎日記録していますが37度前後で安定しています。検査室内の落下菌検査および機器類の拭き取り検査を行いましたが, 検査担当者2人で比較検査を行いましたが, 原因はわかりませんでした。原因不明で難航しております。想定できる原因を, すべて教えていただけますでしょうか??? もう一度, 再確認したいと思います。よろしくお願い致します。

【回答】
 5月半ばからということは, その時期に何か新しいことを導入したとか, 検査方法を変更したとかが考えられます。また, 4月まではこの様な現象がなかったということです。質問者の焦っている状況は理解できますが, もう少し細菌検査の流れを詳細に記載していただければ助かります。検査担当者2人が熟練者で, 標準寒天培地を用いた混釈培養法を行っていることを前提に回答します。確認して頂きたい点は: (1) 10倍稀釈液の調製の仕方, (2) 10倍稀釈液の試料残さのシャーレへの持ち込み具合, (3) ピペット操作, (4) 同一稀釈に対して2枚ずつシャーレを用いているか, (5) すべての検体で同じ現象が見られるか, (6) 混釈培養は同じ培地で行っているか, (7) 培地や稀釈液のオートクレーブ滅菌が適切に行われているか, などです。細菌検査の標準操作手順を見直し, 再度一つ一つ検証してください。

(日水製薬・小高 秀正) 


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