10/07/05
■ 消毒剤の滅菌
【質問】
 初めてメールさせて頂きます。

 最近, 消毒液自体に滅菌を行っているものが多く見受けられます。ろ過滅菌ではなく, 綿棒キットタイプのものや綿球含浸タイプのものはオートクレーブ滅菌を行っていると耳にします。ポビドンヨードはもとより, グルコン酸0.05%や塩べ (塩化ベンザルコニウム) 0.025%のような濃度の低いものについて, 高圧蒸気滅菌における有効性や安全性に影響はないものなのでしょうか??? また, そもそも消毒剤を滅菌することのメリットは何なのかご教授いただけないでしょうか???

【回答】
 消毒薬の種類によっては細菌による汚染が問題になった報告もあり, 特に分割使用については注意が必要です。消毒薬そのものも, 綿球や綿棒に含浸させたものも, 一部は無菌製剤として製造承認されており, 添付文書等にそのように記載されています。無菌化の方法としてはフィルター濾過と高圧蒸気滅菌, あるいはそれに準じるものがありますが, 高圧蒸気滅菌は消毒薬に影響を与える場合があります。例えば, ポビドンヨードでは有効ヨウ素やpHが低下することが知られています。消毒薬製造元では, その点を考慮して, それぞれ消毒効果に問題のない方法を採用していると思います。

(虎の門病院・米山 彰子)


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