■ 植菌テストについて | |
【質問】
私は食品会社で細菌検査を担当する者です。いつも参考にさせていただいております。今回, 食品添加物の効果テストで, “植菌テスト”を考えております。菌種は乳酸菌, 大腸菌群, バチルスで, それぞれの菌種に対して添加物がどの位効果があるのかをテストしてみようと思います。方法は下記のように考えております。 1. 菌液の調整
2. コントロール菌数の確認
3. 植菌方法
4. 検査方法
このような方法でテストしてみたのですが, 始めの菌数の調整がなかなかうまくいきません。思うような菌数にならず, 多過ぎたり, 少な過ぎたりしてしまいます。うまく調整するにはどのようにしたらいいのでしょうか??? また, “植菌テストの方法”ですが, このような方法でよろしいのでしょうか??? 色々調べましたが見つからないので, 他にいい方法や公的な方法などがありましたら教えてください。よろしくお願い致します。 【回答】
それと“始めの菌数の調整がなかなかうまくいきません”という部分に追加しますが, 一般的に食品微生物における菌数はオ−ダ−で論じます。100個/mlの場合は, 10〜1000個の間に入ればよいと考えます。さらに高い精度を望むなら, 2×標準偏差を考えて80〜120個の範囲がベストです。最初の接種菌数がいくつであるのかを把握すればよいと考えて上の回答を書きました。食品添加物の効果を確認するということなので, 初発菌数と比較してどうかという比率での判断ができればよいと考えました。 また, 食品添加物の効果は, 保存温度によっても変わってきますので, 菌接種後の保存温度は25℃だけではなく, 夏の30℃や冷蔵庫の4℃も同時に実験した方がよいと思います。さらに, 質問者から厳密に100個/mlの菌液を作りたいという質問があるとすれば, 何故100個/mlにこだわっているのかを知る必要もあります。例え100個/mlの菌液を100 ml調整したとしても, その菌液から1 mlを採取しても正確に, いつも100個になるとは限りません。そういう世界だということも理解してください。 (日水製薬・小高 秀正)
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