09/10/15, 23
■ 手術室での結核対策
【質問】
 当院でICT活動をしている医師です。手術室における結核感染対策について質問させていただけますでしょうか。

(1) 肺結核や気道の結核以外の, いわゆる臓器結核は, 他者への空気感染の可能性がないとされていると思いますが, 例えば脊椎カリエスなどの手術時に, 術者や同室者は一律N95マスクをすべきでしょうか???

(2) 関連しますが, 電気メスによる軟部組織の焼灼・切断操作や, また整形外科の骨ノコギリの操作などで, エロゾルは発生しますか???

(3) 結核の可能性を疑うが確定していない手術, 例えば確定診断の目的のリンパ節生検や肺腫瘍の摘出術では, どのように対策すべきでしょうか。

術中N95マスクをし続けるのは苦痛との外科医の申し出があり, 対策をどうすべきか迷っております。以上, 御回答いただけたらありがたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【回答】
(1)(3)の臓器結核手術時のN95マスクの着用に関しては, 回答者の施設では一律着用とはしていません。しかし, 結核菌の存在が強く疑われる部位に切り込む手術の場合は, N95マスクの着用を考慮する必要がある場合も想定されます。一律でない, 状況に応じた対応が必要と考えます。

 (2) の手術操作に伴うエアゾルの発生の件ですが, これに関してはある程度のエアゾルの発生が考えられています。骨片による粉塵暴露の多くはサージカルマスクで予防できるようですが, それより細かな粒子になるとN95マスクが有用と考えられます。

(愛媛大学・田内 久道)


【質問者からのお礼】
 お忙しいところ, 御回答どうもありがとうございました。参考にさせていただきます。


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