08/11/20
■ サルモネラ同定と“Spicer-Edward”血清
【質問】
 こんにちは。◆◆と申します。現在, 動物の糞便などから細菌の分離を行っています。

 分離されたサルモネラを同定するために, 使用機材や時間の節約のため, Spicer-Edward血清 (デンカ生研) を使用したいと考えています。試験方法に関する資料に「・・2相側の多価血清 EN, L, 1を組み合わせることにより, 両相を発現している株についても型別できるよう考案されたもの・・」とあるのですが, これは一般的なH血清別の時に行う「逆相誘導」を行わなくてもよいということなのでしょうか???

 回答, よろしくお願いいたします。

【回答】
 質問のサルモネラ免疫血清, “Spicer-Edwards”は試験研究用試薬であり, 診断目的には使用できない免疫血清です。Spicer-Edwards血清は限られた施設より発注, 受注されて販売している製品です。そのような製品であるためデンカ生研の試薬案内には掲載されていません。

 運動性を示すサルモネラH抗原に対して, Spicer-Edwards血清1〜4を用いて凝集の組み合わせによりH抗原を判定します。質問にある“試験方法に関する資料”がどのようなものであるのか特定できませんので, 残念ながら回答することができません。

 サルモネラの多くは二相性のH抗原を持っています。逆相の誘導を実施して血清型別を行なう必要があります。逆相H抗原の運動性を高めるために相誘導培地を使用して逆相の運動性を高めてから型別を実施します。

Spicer-Edwards血清は一般的に広く使用されていませんので, 用法, 操作方法, 納期, 価格などは最寄りのデンカ生研支店営業所に問い合わせください[http://www.denka-seiken.co.jp/japanese/com-be.htm]。

(デンカ生研・青木 智)

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