07/06/18
■ 堆肥の大腸菌群検査
【質問】
 堆肥製造業者です。“堆肥の安全性”を評価するのに, 大腸菌がいるかいないかを聞かれました。大腸菌群 (デオキシコレート寒天培地・38度培養) は検出されましたが, 分析業者に“危険か否か”を質問したら, 「土の中にもいるものだから, 検出されたからといって即危険か否かは分からない」といわれました。同業者の中には“大腸菌群は検出限界以下”と表示している業者がいるのですが, そのほうが不自然だともいわれました (ちなみに当社と原料および製造方法はほぼ同じで, 堆肥の発酵熱以外, 高温処理はしていないです)。

(1) どのように解釈すればよいのでしょうか???
(2) 食品ではなく, 土壌や堆肥の場合, 安全とか危険とかの判断の基準となる数値はあるのでしょうか???
(3) 大腸菌群ではなく, もっとその先を詳細に調べないと分からないのでしょうか???
(4) その場合, どのような検査をしていけばよいのでしょうか???

【回答】
 堆肥は家畜や家禽の糞便や藁などから作られていて, この段階で既に大腸菌や大腸菌群が存在しています。堆肥中の大腸菌の有無を尋ねた方が, どのような主旨で質問したのかが不明です。再度, その方に質問の意味をお尋ね下さい。仮に, 無菌の堆肥があるとしても, それを使う無菌の農場があるのでしょうか???。一般には, 土壌中には大腸菌や大腸菌群も存在していると考えられています。参考としてフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「堆肥」を参照してください。熟成が進むにつれて堆肥内の温度 (60〜70℃前後に達する) でほとんどの病原菌は死滅すると書かれています。質問とは関係ないのですが, 乾草などを取り扱っているヒトはHay feverという病気を起こすことが知られています。質問者の会社内で, 安全性について考え, 話し合うよい機会です。今回の質問のように, 行政についての疑問 (他の業者は“大腸菌群は検出限界以下”と表示しているが, これは許可されていのか, 誇大表示ではないのか等々) で, わからない点は所轄官庁に相談・確認するのがよいと思います。

(日水製薬・小高 秀正)


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