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【質問】
いつもお世話になっております。食品製造会社で品質保証を担当している者です。耐熱性菌の検査において:
(1) 75℃で15分間加熱
(2) 100℃で10分間加熱
した物で, (1)ではコロニーが約200カウントされたのに対し, (2)ではコロニーがまったくカウントされませんでした。この違いは菌の種類によるものだと考えておりますが,
(1)の条件の加熱では生存していて, (2)の条件では死滅する菌にはどのようなものがあるのでしょうか???
また, 耐熱性菌で菌種によって何℃以上の加熱に耐性があるのかを教えていただけないでしょうか。
【回答】
熱死滅条件は, 菌自体の状態や菌が存在している食材によって変わってきます。文献〔芝崎 勲:
微生物制御とその基礎 微生物と温度. J Antibact Antifung Agents 13: 569〜580,
1985〕で紹介されている死滅条件を一部記載します。Acetobacter aceti(酢酸菌)は80℃で5分間,
Lactobacillus
bulgaricus (乳酸桿菌)は71℃で30分間, 炭疽菌は100℃で2〜15分間, セレウス菌(栄養細胞)は60℃で0.13分間
(D値: 生菌数が1桁, 101低下するのに要する加熱時間), 芽胞は100℃で0.8〜14分間
(D値) などです。どのような菌が何度で死ぬのかということを知るより, むしろ質問者自身が耐熱性菌検査で分離した菌を同定して,
あらためてD値などを求める検証をすることが大切だと思います。
(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
ご回答ありがとうございます。耐熱性菌のD値を求めてみようと考えております。ご指導ありがとうございました。
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