07/10/16
07/10/18
■ 低温保管が細菌増殖におよぼす影響
【質問】
 食品製造工場で惣菜・弁当・おにぎりなどの自主的細菌検査を担当して10年になる臨床検査技師です。1ケ月前に質問しましたが, 質問内容が不適ということで却下されたのか, メールが届かなかったのか不明ですので再度質問いたします。

 自社製品20℃24時間保管の細菌検査についての質問です。製造時刻, 深夜0時〜早朝6時の製品の24時間後の検査をする際, 夜勤の検査員はいないので日中の検査で約36時間経過したものを参考値としています。24時間値を出すのに, 仮に深夜2時製造, 検査は14時として:

(A) 20℃, 24時間経過の翌日深夜2時から製品を1℃, 12時間保管後に検査する (インキュベーターによるプログラム運転)。

(B) 20℃, 7時間経過の9時から1℃, 12時間保管し, 21時から20℃, 17時間保管後に検査する (人の手による製品の移動)。  

 条件 (A) および(B)では, 細菌の増殖にどのような違いが考えられますか??? (B)を採用している工場もあるようです。

 (A)で, 20℃, 24時間保管直後の検査では増殖にどのような違いが考えられますか??? なお, 0℃, 24時間の条件では氷結霜取りとなることがあるので“1℃”としています。検査対象菌は, 弁当・おにぎりなどの固形物に付着・内部残存している中温菌です。対数増殖期でも, 低温保管で単純に増殖が停止し, 温度を上げることにより, またそのまま増殖が再開するとは考えにくいのですが。

【回答】
 20℃, 24時間保管後に細菌検査を行うのが質問者の会社の決まりなのですね。結論としては, (A) も (B) も“細菌数として大差ない”と考えられます。(A), (B)法は質問者の例ですと, 午後2時に検査することになります。そして, いずれもリアルタイムで24時間ではありません。勤務時間が9時から18時だと考えますと, 当日 (深夜0時_早朝6時) の製品を朝9時から順次検査していった方が効率的だと考えます。この場合, 「20℃, 24時間保管後」の規定から外れますが, 初発菌数から20℃, 24時間保管後の菌数を推定出来るようにしておけば問題ありません (何回かは, 質問者が20℃, 24時間保管後の菌数のデータを事前に取る必要があります)。また, 24時間保管後ではないのですが, 朝2時の製品を31時間後の朝9時に検査してもよいのではないですか。最後に, 質問者は検体の保存条件だけを心配していますが, 検査は検体採取から結果判定まで決まった方法で実行されなければならないのですが, この点について大丈夫ですか。

(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
 回答, 有り難うございます。
 検査は検体採取から結果判定まで決まった方法で実行されなければならないのですが, この点について大丈夫ですか・・・という御指摘ですが:
 ●●の協力工場で構成される■■協同組合が食品衛生検査指針に準じて作成したマニュアルで生菌数・大腸菌など検査しています。検査者の技能検定としてクロスチェック (基礎・上級) を実施, その技術レベルも一定水準に達するようにチェックを受けています。3名のローテーションを組んでいますから, 検体 (弁当・おにぎり) の採取重量, 箇所には個人差があると思いますが, 10〜20〜30グラム前後を取ります。製造・包装の汚れを見るために, 表面と火の通りにくい内部と両方を取るようにしています。

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