07/12/13
■ TGC培地での培養時間
【質問】
 はじめまして。福岡の食品会社に勤めている■■と申します。

 実は弊社で来春, レトルト食品に取り組もうと考えています。その中で, 無菌検査というのが必要になると思いますが, TGC培地を用いて行おうと考えています。このTGC培地ですが, 培養時間が35℃, 48時間と書かれているものから, 35℃前後14日間まで, 培養時間がかなり違うのです。(無菌検査としては) どれが正しいのでしょうか??? (できれば作業の効率上, 短いほうがいいと考えています)。お忙しい中恐縮ですが, ご回答をよろしくお願い致します。

【回答】
 缶・びい詰・レトルト食品・飲料製造講義 総論編 (社団法人 日本缶詰協会) の第2章「2. 品質管理の実際」から引用して回答します。

 食品衛生法では, 容器包装詰加圧加熱殺菌食品の成分規格に「当該容器包装詰加圧加熱殺菌食品中で発育しうる微生物が陰性でなければならない」と書かれていて, 微生物の試験についても書かれています。しかし, これはあくまでも食品衛生監視員などの行政当局が, 製品中に微生物が陰性であるかどうかを確認する試験法であり, 工場での製品の微生物検査法として義務付けている検査法ではありません。細菌検査は, (1) 新製品の加熱殺菌条件を決定する時, (2) 容器の形状を変更した時, (3) 原料の組成を変更した時, (4) 加熱殺菌条件を変更した時に必ず実施する。日常の生産では, 毎週1回または毎月1回など, 定期的に検証として検査すればよいです。試験方法は, 試料 (検査対象物25 gに滅菌リン酸緩衝水225 mlを加えて細砕する。この1 mlを滅菌リン酸緩衝水9 mlで希釈し, 試料とする) 1 mlずつを5本のTGC培地に接種し, “35℃で48時間培養”の結果でいずれかに菌の増殖が認められれば“陽性”とする。注意点として, 無菌操作が必須で, これが適正に出来なければコンタミネーションを起こす可能性がある。もし, 5本中1_2本「陽性」の場合には, もう一度試験をやり直す。検体・試料は結果がでるまで, 冷蔵保存する。

(日水製薬・小高 秀正)


戻る